ファブリック。

ファブリックには「織物」という意味があるそうだ*1。それを知ったところで私は一体どこへ行こうというのだろうか。と言っても、どこかへ行く前にまず現在地があやふやなのだから、出発さえ危ういのである。まずは足許の座標を確かめる必要があるのだろうか。別に座標なぞと高級志向を施さなくとも、足許に転がっている小石の数でも数えれば私は自分の立ち居地を確認できるのである。彼らはずっとそこにいたのかもしれないし、今日だけそこにいるのかもしれないが、どちらにせよそれは同一位相の意味であり、私はその意味が冷めやらぬうちにその意味を手にとって、或いは頬擦りなどしてその温もりを確かめることによって、自分の領域を明らめることができるのである。
ところで、全く話は変わるのだけれども、確か、キャッチボールというのは一つのキーワードであったことを先ほど思い出したが、しかし、そこに到達するには針の山を登るよりも難しいのかも知れないということに思い当たった。心持ちの面で、だけれども。
夏が来るねぇ。