反古書き。

男は嘘を吐く事が出来ない。女は本当の事を言わない。 何かを得るという事は、それ以外の何かを捨てるという事だ。それでも全てを得たいというのならば、自身を捨てるしかない。

6月21日のこと。

髪を切った。初めて行った店だが、初めて納得のいく仕上がりになった。今まではどれだけ妥協していたか。 私は、私自身が酒を飲めることを幸福に思う。酒が飲めない人には分からないかも知れないが、それは他人の事情である。私にはどうすることもできないし…

澱。

浮き世に沈む澱のようなものを集めて固めて乾かしたもの、それに極めて近いものが私である。諦観を述べて悦に入っているのではない。心持ちの本当のところを努めて正確に表そうとしているのである。

夏と秋の間の夜に。

正午より少し前、空には雲が重く、それでも夏は私に汗を要求する。抗うことは出来ない。 駅までは歩いて10分と少しの距離だったが、Tシャツが湿るには十分だった。 平日のこの時間帯のホームには、私が思っていた以上の人が居た。学校はまだ夏休みである。…

雑音。

雑音が多すぎるんだろう。それでも公開しようというのだから滑稽ではある。いらいらは募るばかりだ。どうして多くの人は他者との比較の中で優位に立とうとし、そのことでしか自信を確立できないのだろうか。たとえば酒に酔わないことは全くアドバンテージで…

酩酊日記。

どう転んでも好い、などというのは口実であって、勿論好い方向に転ぶに越したことは無いのである。それが分かっていて私たちは当たり前に予防線を張り、そして当たり前に敗北してゆく。生活の上での勝率は何に喩えられよう、天文学的な数字さえそこには定義…

酩酊日記。

遠くに星がいくつも出ていて、私は夜を自分の中に認識する。こうも明るい都会に住んでいては、夜は畏敬の対象ではなく、ただ寝るだけの時間帯である。闇の輝きを、人はどこへ忘れてきたのだろうか。今でも私は生まれ育った土地の、夜に潜む安心感と、それと…

砂の夏

地面を含め、およそ表面の名の付くものが全て砂になったような心持ちだった。その砂はざらざらというよりは、砂丘にあるようなさらさらとした、きめの細かい優しい質感を持っていた。かと言って実際にそうなったわけではなくて、あくまで私の想念の中での出…

その後。

決戦は滞りなく終わって、あの地震のように、その後の毎日が新しく始まったのだった。あれ以前にはもうどうやっても戻れないし、戻ってはいけないのだった。私が決めたことだ。戻ってはいけない。今なら、まだ簡単だ。しかしそれはご法度である。私は静かに…

こどく。

人恋しい時ほど孤独である(孤立しているわけではない、という点が重要)、というのは、分かる人には分かる背理を含んでいる。だからといって無理に人を求めることはなく、その孤独に纏わる甘い痛みの中で誰にも聞こえない無害の呻きを挙げながら、表面的に…

そろそろ。

決戦の日を迎えても好い頃だろう。酔いに任せて、というのは避けたいが、何かのきっかけやタイミングは欲しいところでもある。酩酊の先に何が待っているのか、齢30にしても全く何も分からない。めいていを変換したら迷亭と出た。何かに使えるかもしれない…

はてな記法を忘れた。

はてなを主に使っていた時期は懐かしい。もう10年くらい前になるのだろうか。決まった書き方を忘れてしまった。 いつも現実はわたしを置き去りにして、わたしに甘やかな幻想ばかりを見せるものだから、わたしは惑わぬように足元ばかりを見ている。お陰で遠い…

遊興。

やはりはてなは使いやすいという感がある。まあ好い。 久々に深く下らなく落ちているので物を書こうと思う。先程の昼寝に見た夢は久々に最悪であり、私の心持ちの不健康に一役買っている。しかし、ここまで落ちるのは学生の時分以来だろうと思う。やる気が一…

全てがもう終わっても好いのだろう。

と、思う。時もある。夜気は厚く湿気を含んでいる。夜空に雲は吹き流され、月が掛かっている。やりたいことは、大方やったような気がする。引き算に美学を見出だせるほど私の眼は澄んでいないが、安心を覚えることはできる。ゼロ、というのはもう彼岸である…

どこかの遠くの何かの。

色々な立場があるが言葉を表現の手段のひとつと捉えない人々がいるとすれば、私は彼らとは反対側にいることになる。強い否定を以て彼らの言論を批判するだろう。そこには感情を込めるだろう。私にとって言葉はある形式であり手段である。そこに神格的なもの…

真夜中の前後

世間は、いつでも決まって夜に飲み込まれるのであった。 その日は、昼間にたくさんの雷が鳴って、私は部屋の中で湿った暑さと戦いながら無為に過ごしていたのだったが、年代物のアパートの屋根や壁は私を死なない程度に守っているだけであって、それは生活の…

あらあら。

いや、ある人から指摘があって、で、今読み返してみるとなるほど、と思ったが、いや、別に恋人と別れたとかくっついたとかそういった類の話をしているのではなく、世間一般的な、社会に出ればあたりまえにあるような人間関係の話、ということでね。なんだか…

その後。

何かちょっと落ち着いた。急に、という感じだけれども。ただ、ここで調子に乗ると絶対にまた足元すくわれるので、気を付けて行きたい。

空気。

関係性というのは一度こじれると、大体がもうそこで終わりというか、そっからまた直して、っていうのは大変な労力と時間が要る、というのは当たり前なのだったけれども、まぁ、殊に男女関係なんていうものは、一回終われば基本的にはそれで終わりなのであっ…

思ったので。

ある繋がりがあって、でもそれは普遍ではなくて、状況に応じていつかはなくなってしまったりするのだったけれども、つながりって言うのは環境が変わったりすればまた新たなものが構築されるのであって、そうやって更新されていくものなのだなぁ、と、いや、…

思ったことを、思ったように書くので。

とりあえず、今騒いでるアノ件(具体的に書くといろいろアレなので・・・気弱ですみません)とかに際しても思うのは、あの、原理主義みたいなのはどうにかならんかなー、と。みんな「バカの壁」とか読めば好いのに。無知の知というか。中庸というか。あれじゃあ…

病気。

怠け癖というか、生来の癖はどうしようもないもので、まったく治らない。治す気が無いのだろうか。付き合いきれない、という感慨がある。頭の中の無限回廊で意味の無い思考が縦横に走り回っている。何の音もしない。気が違いそうなほど静かである。実際、少…

思ったことを雑記的に。

はてなの方があっちよりも使いやすいんだろうか…。書きやすいのは全然書きやすいし、フォーマットとか…。まあいいか。 余興というタイトルは大変気に入っていて、結局主役っていうか、本道みたいなところじゃなくても全然好いですよ、という感じが好い。まあ…

思ったことを雑記的に。

これといって何かあったというわけではないのだけれども、この近辺の記録として。 仕事の方は、うーんまぁなんとか、っていう。ストレスの面ではちょっとその量が増加している感じがする。その辺は人と人との距離感とかもあるんだろうなぁ。うまくいっている…

大人になった私へ。

大人になった私は、嫌なことの一つもあれば、酒を呑み、好きな音楽を聴き、好きな本を読み、少しだけ高い美味しいものを食べ、好く眠る。インターネットには私を慰める仕組みがたくさんある。私は「それ」と向き合わず、受け流さず、ただ見ない振りをして、…

思うことなど雑記的に。

長い文章を書いてないなぁ、という雑感があって、もともと長い文章を書くと襤褸が出るのであまり書かないのだけれども、もう少し組み立てとかを考えてちょっと長い物とかを書くのもたまには楽しいんじゃないかなぁ、と思ってみたりした。思っただけなのだけ…

雨降って雷鳴って。

季節の変わり目なんでしょうか。スゲー寝た。頭がボーっとする。健診の結果はどう出るのか。日々は雑事ばかりで、意味は各自任せで。平らかな精神に、一体何の価値があるのだろうか。それは否定的な意味ではなくて、純粋な疑問である。考えるべきことはきっ…

なんだかんだ。

書いては消し、書いては消し、載せずに保存せずに、といった塩梅で、オモテの方は全然更新されないわけですけれども、なんかこう、惰性でー、ってのも悪いとは思うんだけれども、止めんのもなぁ、ってのもあって、とか。つーことで夏ですね(ちょっと早いか…

世界に触れる。

ある世界に触れる機会があって、で、思ったのが、やはり自分には現実感みたいなものが薄い、あるいは薄かったんだなぁ、ということ。だから結局、自分の書き物には現実感がなくて、言葉だけが上滑りしていってしまう。いわゆる形式だけの物言い、になってし…

関係性。

いまさらなんだけれども、友達とか、そういうのは大変好いものだなぁ、と思うのです。と、申しますのも、せんだって、先輩の結婚披露パーティーに招待頂き、出席させていただいたところ、こう、仲間、みたいな、こう、ね。好いわぁ、と。ほんと、いまさらだ…