2005-01-01から1年間の記事一覧

手紙。

母から手紙を貰うのは、もう、多分何年振りという次元の話なのだろう。 そこまで郷里を遠くに追いやっていたわけではなかったから、実家の事情は好く分かっていたし、取り立てて大きな事件も聞いてはいなかったし、だからこそ、手紙の文面には真新しいことも…

隙間。

そこに風の一つも吹いていれば、まだ静か過ぎずに済んだのだろう。何もない草原を想像してみる。空は自然な空の色をしていて、雲は無い。空色が地平の向こうまで垂れ下がっていて、そこから足許まで、そして私を通過してまた向こうの地平まで、ずっと若々し…

ある昼間4。

台風は人々が寝静まっているうちに決められた分量の雨を、それは人々にとって障害でもなんでもない量だったけれども、降らせて、素知らぬ顔をして空を晴れさせた。太陽は私の顔を焼いたから、鼻頭と頬が痛いのである。夜気は一層ひやりと感じられることはあ…

ある夜6。

なるほど、という感覚があって、ただひたすらに疲労があるのだった。どうしろというのだろうか。物理的には何の賞与もなかった。賞与? 私はそれを求めていたのだろうか。そればかりを求めていたのではなかったが、公平さは確かに欠けているという感覚があっ…

夏空。

透き通っているものの一つとして夏空を挙げることができると思ったけれども、もうその時には、空には入道雲ではなくいわし雲が流れていて、あの強い青色はそこには無く、代わりに淡く優しい色の夕焼けが、それは秋の色を示していたのだけれども、ゆっくりと…

ある年のある夏のある期間について。最終回。

それは紛れもない現実であって、例えば「夢のような日々だった」なぞと、緩い傾斜とゆらゆらした視界を持つような言葉で以って切り取られるある一期間なんていうものは、果てして何の意味や価値があるのか、なぞとも思ってしまうのである。 私は判断や評価や…

ある年のある夏のある期間について。2

それで、私はその期間の中で、ある奇跡、魔法、或いは何か神掛かったような、現実からは完全に切り離された一つの主体性を持った空間の中に生活していた。そこにはやはり独特の時間が自分の存在を主張しながら流れていたのだと思う。しかし、その時にはこれ…

ある年のある夏のある期間について。1

それは言い訳であるのかも知れなかったが、或いは、もう少し高い評価を与えてやって、ある期間に対する自分なりの評価、とでも言えばいいのかも知れないけれども、いずれにせよ、私にはその全貌と本質、つまり全体とある一点、その点は核とでも言うべき全て…

ある夜5。

私の範疇を越えた音楽と本を、同時に処理してゆく。私の頭の中の演算機は、簡単にオーバーワークのランプを赤々と点灯させ、けたたましい警報がしばらく鳴り響いていたけれども、もう今は止んでしまった。それらは必要が無かったのだ。そうなることは、つま…

ある昼間3。

エアコンを消したのだった。畳から立ち上っているかのような湿気が、部屋の温度を、と言うよりかは私が感じている気温を2度ほど上げている。 結局形式や分析的視点、構造ということからは抜け出ることが出来ず、それだけならばまだ救いがあったようなものの…

ある昼間2。

きっと流れというものはあって、それは好かれ悪かれであったけれども、周期的にある定点は巡ってくるものであった。周期的に、というと等間隔の意味合いを持ってしまうかも知れないので、語義の上でやや逸脱してしまうかも知れなかったけれども。 頭は、二度…

ある夕方2。

台風が来ていて、外出からの岐路、当たり前のように雨が私を濡らして、私はそこから不快感を抽出して咀嚼し、雨脚の強い時は傘などはほとんど何の役にも立たないことを確認というか、体験し、その結果はやはり不快感として私に刻まれるのを確認し、テレビは…

エアエッヂ。

急に回線が切れるのどうにかしろハゲ。

日付け変更線1。

どういった心変わりか、場所*1を増やしに増やして、気付いたら5つくらいになっていたのだけれども、充分に回っていることに少々驚いた。一つ一つについて、誰にとっても有益でない、強いて言えば自分にとってだけ有益性を持つコメントを考えてみようと思うの…

ある夜4。

「ある夜4。」というのは、実は何度も書かれていて、時には一定の分量を持った文章も書かれたりしたのだけれども、内容以前に、モチベーションというかそういった文章以前のレヴェルの話で以って、更新はされなかった、というのがその仕組みであった。 なぜ…

ある朝方1。

何もかも一度止めてしまいたくなることってありますよね。ありますか。ありますよね。

ある昼間1。

身辺生活の充実している時の書き物というのは、どちらかと言うと力強さに欠けるという感じがある。平坦であって真っ直ぐな感じはあるから、その点は評価が出来るのだけれども、どちらかというと、少なからず落ちているような時の書き物というのは好きである…

そこに何かを物語る前に。-4-

私の心持ちの平面には、確かに曇りがあった。たった一点、それは数学の上での、完全なる点、つまりたとえば鉛筆などで点を描いても、どんなに小さく小さく点であるかのように描いたとしても、それは線であり、あるいは面積を持ってしまっているから、厳密な…

どこかで、あるいはどこかの国で、今も。

昨日も今日も、どこかでばくはつとかじらいとかてろとか(もしかしたらどくがすなんていうものもあるのかも知れない)(せんそう)何か分からないけれども、そういった何か分からないもので、つみもないひとびとが命を落としている。つみもないひとびとは、…

そこに何かを物語る前に。-3-

先に言ってしまうけれども、その緑の箱は私にとって物語であった。文字の世界で言ったならば詩であったのかも知れないが、箱は文字の世界ではなく肉体の世界にあったから、物語たり得る資格を持っていた。あるいは、あの時に、あの3時過ぎに私の目の前に、背…

そこに何かを物語る前に。-2-

ある一日は唐突にやってくるのであったが、それは私にとっては唐突であっても、その一日に包まれているどこか別の場所、他の誰かにとっては全く平生のものであって、私だけがある逸脱に対して意見を言うのは、少し待ってみようと思うのである。 午前中は事も…

今日の言葉。

イノセント【innocent】 罪のないようす。汚れを知らないさま。無辜(むこ)。無垢(むく)。三省堂提供「デイリー 新語辞典+α」より

そこに何かを物語る前に。

分からない。これが果たして物語になるのかどうか、そして、どのくらいの長さになり、この物語か何かの中で、どれだけの人間が生活し涙を流すのか、私にも分からない。彼ら、あるいは彼なのかも知れないが、私にできるのはその人物のある一側面を切り取って…

ある夜3。

やはり夜は訪れるのである。またやはり、酒気はもう退散していて、しかし、そしてまたやはり、微量ながらもアルコールに洗われたであろう私の脳髄は、いつ果てるともないような、例えば神話や昔話に出てくる超科学を誇った巨大都市、空中都市、海底都市など…

ある夕方1。

電車から見えるコンクリートの地面、縁石、そのほかの何か人為的に固められた地面などを見るにつけて、それらが塗れていないことで、私はここ何時間かの間に雨が降っていないことを確認するのである。それ以外の可能性があったのかも知れない。しかし、私に…

ある朝1。

寝られぬまま朝を迎える。しかしそれは正確ではない。眠ったのである。アルコールが、やはりと言うべきか、それは「付き合い」とか団体とか集団とか、個人単位の飲酒ではなかったけれども、私を眠らせたのである。寝入った時間は、ヒトが、種としての単位の…

ある夜2。

夜は更けてゆく。夜というよりは、もう朝に近いのだろうか。もうしばらくすれば外は明るさを持ち始め、鳥の鳴く声など聞こえ始め、往来を通る自動車の量が増え、騒音が増えるのである。やはり私は退屈せずに済む。さまざまの音が私を刺激して、通り過ぎてゆ…

ある夜1。

まだ夜の深くない間に呑んだアルコールは、もうどこかへ逃げてしまったようだった。血中アルコール濃度、なんていう生理学的な話をする気はないけれども、酔いという、コレはどの分野に入るのだろうか、とりあえずそういった要素は体内にはまだ残っているの…

ボヘー。

言ってみたら、もう「ボヘー」しかあり得ないのであって、まあ百歩譲って「ぼへー」でも好い。それくらいボヘーである。まあでも、今はボヘーは好い。 とりあえず、少なからず蒸し蒸しすると言うか蒸し蒸しすると言うか、まあ何で2回言うねん、という構えな…

天外魔境Ⅲ感想。

おそらくここを見ていただいている皆さんにはほとんど分からない内容になることは、もうガチで予想できるのだけれども、これは書いておかなければならないので書く。 で、簡単に言うと「天外魔境Ⅲ」っていうPS2のゲームについての感想を書きます。 以下ネタ…