2005-08-01から1ヶ月間の記事一覧

ある年のある夏のある期間について。最終回。

それは紛れもない現実であって、例えば「夢のような日々だった」なぞと、緩い傾斜とゆらゆらした視界を持つような言葉で以って切り取られるある一期間なんていうものは、果てして何の意味や価値があるのか、なぞとも思ってしまうのである。 私は判断や評価や…

ある年のある夏のある期間について。2

それで、私はその期間の中で、ある奇跡、魔法、或いは何か神掛かったような、現実からは完全に切り離された一つの主体性を持った空間の中に生活していた。そこにはやはり独特の時間が自分の存在を主張しながら流れていたのだと思う。しかし、その時にはこれ…

ある年のある夏のある期間について。1

それは言い訳であるのかも知れなかったが、或いは、もう少し高い評価を与えてやって、ある期間に対する自分なりの評価、とでも言えばいいのかも知れないけれども、いずれにせよ、私にはその全貌と本質、つまり全体とある一点、その点は核とでも言うべき全て…

ある夜5。

私の範疇を越えた音楽と本を、同時に処理してゆく。私の頭の中の演算機は、簡単にオーバーワークのランプを赤々と点灯させ、けたたましい警報がしばらく鳴り響いていたけれども、もう今は止んでしまった。それらは必要が無かったのだ。そうなることは、つま…