ある朝1。

寝られぬまま朝を迎える。しかしそれは正確ではない。眠ったのである。アルコールが、やはりと言うべきか、それは「付き合い」とか団体とか集団とか、個人単位の飲酒ではなかったけれども、私を眠らせたのである。寝入った時間は、ヒトが、種としての単位の上でのヒトが眠る時間の、正常の範囲、それは年齢や性別や職業などさまざまな要因もあるだろうけれども、特に異常と思われる時間ではなかった。しかし、目は覚めたのである。深夜であった。
私は再び睡眠を得ることのできぬまま、さまざまのことを経過させ、今日もまた当たり前のように明るくなった外を、カーテンやすりガラスの向こうに霞ませている。
私には今日もまた外出する予定があった。だから体を、精神を休ませる必要があった。なのに、私はそれを避けるように物を書いているのである。
そしてまた、この場所の意味を、性懲りも無く、そんな下らないことを考えたりしている。決してこの場所は、否定的な意味を持っていないということを、私は確認する。ここにそれを記しておき、何かの時、例えば心持ちが折れそうになったり、何か甘やかな罠などにとらわれそうになった時に、すぐにこの場所に戻ってきて、さまざまの自分の書き物を確認することで、自分を落ち着かせるのである。
冷水を頭からかぶりながら鏡を見るような趣きがある。